幸福な王子

幸福な王子

  かの世紀末スキャンダル作家?のオスカー・ワイルドが書いた童話集のタイトルにもなっているのが「幸福な王子」で、彼のもう一つの童話集「ざくろの家」とともに、深読みすれば、童話というより、風刺小説といえなくもない、これらの一連の作品の中で一番有名なのが「幸福な王子」です。
 とある町の高い円柱の上に立っている黄金の彫像が彼の正体。全身に金箔が施され、目には二つのサファイヤ、刀の柄には大きなルビーがはめ込まれている豪華なつくり。
 この王子の像のもとにたまたま宿ったツバメが、王子の頼みのままに、貧乏な人々に、目の宝石や金箔をはがして施していて、故郷に帰りぞびれて冬になって死んでしまい、金箔や宝石を失った彫像は「きたない」として町の人々に壊されてしまうというストーリーはあまりに有名ですが、ツバメが来るまで、このキンピカ王子は、夜毎、一人で涙を流していたのですね。
 彼は、生きている時は、豪華な城に住み、夜毎舞踏会を楽しみ、城の外の世界のことは知らず「幸福な王子」のまま死んでしまったのですが、死んでから、高いところにのぼせられ、くまなく町が見渡せるようになり、貧しい人々の苦労の生活を知るようになったのです。
 皮肉なことに、生きていて、何か行動が出来るうちは何も知らず、何も行動が出来ない今となって、はじめて現実を知って苦悩しているのです。しかもなお「幸福な王子」と呼ばれているこの大いなる皮肉・・。やはり、「子供向け」の御伽噺ではないでしょう。ほかの作品には、もっと強烈な「皮肉と風刺」があるのですし・・。
2007-11-06
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