小天狗と冷泉

小天狗と冷泉

 源氏の御曹司牛若の霊力で呼び出された小天狗の肩に乗って飛翔する冷泉です。
 これは岩佐又兵衛の絵巻として伝わるMOA美術館所蔵の「浄瑠璃物語絵巻」の一場面。
 この物語は、若き源義経と浄瑠璃姫の悲恋を題材にしています。
 絢爛豪華な、これでもかというほどの装飾過剰な室内や、豪華な御殿などが知られていますが、ストーリーは、前半の若い二人のじれったいほどの言葉過剰の恋愛模様と、後半部分の、乱万丈、荒唐無稽の伝奇的要素満載ぶりの展開の速いドラマとはちょっと違和感はありますが、色んなものを詰め込んだゴージャスなエンターテイメントだったと思います。
 その後半では、牛若は、姫と別れた後、旅の途中で重病に陥り、宿の主人に砂浜に捨てられます。
 八幡神に教えられて牛若の危機を知った浄瑠璃姫は、侍女の冷泉を連れ、慣れぬ旅をして駆けつけます。
 しかし、すでに死んで砂浜に埋められていた牛若を掘りだし、天照大明神に祈って蘇生をさせるという、これまた伝奇的展開ですが、この蘇生の祈祷を行うのが冷泉です。
 蘇った牛若は、平泉への旅を敢行するために、姫たちは屋敷に戻って帰りを待っていてくれと、大天狗、小天狗を呼び出し、二人の女性を送り届けさせるのです。
 こんな便利な妖怪?を駆使できるのなら、最初からこれに乗って平泉に飛んでいけば、途中で病にかかることもないのに・・というのは言わないでおこう。

 この絵巻に登場する天狗はおなじみの鼻の高い山伏姿の下駄をはいた天狗ではなく、くちばしがあるので烏天狗だと思いますが、立派な甲冑を着て、羽衣をなびかせ、黒雲を踏みしだいて空を飛びます。
 小さな(いや小さく見える)姫をちょこんと肩に乗せた大天狗の方が迫力はあるのですが、大天狗の後ろを飛びながら、少し目を上げて、肩の女性を見返っているような小天狗のほうが愛嬌があるので、こっちを描いてみました。
 冷泉は、ただの侍女ではなく、祈祷ができる巫女的要素を帯びているみたいなので、怖がっているふうではないだろう・・ということで。
 この絵巻については、また別に書いてます。
2015-02-21
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