デイシスの聖ヨハネ

洗礼者ヨハネ(デイシス)

  久々に「エロイカより愛をこめて」の最新刊を読みまして、エブドモンの聖ヨハネ聖堂をめぐる(どっちかというと)特殊な学説の浅野和生先生の「ビザンティンの象牙トリプティックと聖遺物容器」(日本ビザンツ学会第3回大会の報告にこの内容が出ています)を土台にしたストーリーです。
 もちろん、KGBもNATOも入り乱れて、武器商人やら、まあ、今度は宗教的秘密結社まで総動員するドタバタで、大いに楽しいです。
 で、逆デイシスとか、右向きのヨハネ像なんぞが入り乱れていて、まあ、ほんまにビザンティンでも、マイナーな題材なんですが、けっこうおもしろい。
 デイシスは「嘆願」という意味で、絵画では中央にキリストがおり、向かって左に聖母マリア、右に洗礼者ヨハネが立ち(つまりヨハネは左向きです)、キリストに対して、嘆願者をとりなしてくれるという姿で描かれます。
 西ヨーロッパの絵画では、中世以降、次第にデイシスは描かれなくなり、作品はビザンツ美術か、正教のイコンなどに残っている程度だそうです。代表と言えば、やはりアヤ・ソフィアの巨大なモザイク画でしょうか。
 しかし、直接、このデイシスそのものだけを描いてはいないのですが、ヤン・ファン・エイクの有名な「ゲントの祭壇画」の開いた時の中央パネルの三枚が、中央にキリスト(全能の神)、左にマリア、右にヨハネで、まさにこのデイシスのスタイルです。
 ファン・エイクの絵と言えば、絢爛豪華な衣装や宝石などが特徴ですので、質素なはずのヨハネもラクダ皮の衣装の上に、やや地味目の宝石入りマントを着ています。
 ということで、逆じゃないデイシスのヨハネを。ファン・エイクのヨハネは、ひげがもじゃもじゃなのですが、華やかな上着に似合うように、ひげをやめてみました。膝に「人生の帳簿」?をのせて、「この人は、善良な一生を送ったので、天国入りを許してあげてはどうでしょうか?」と言っているような・・・。
 ロシア正教では、洗礼者ヨハネは、授洗イアオンと呼ばれます。
2011-08-21
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