五世尾上菊五郎

五世尾上菊五郎

 「明治キワモノ歌舞伎ー空飛ぶ五代目菊五郎」(矢内賢二・白水社)を読みまして、その大胆にして、新鮮な明治の歌舞伎「現代劇」が大層面白かったんですね。
 とくに、サーカス団の出し物や、気球パフォーマンスなどほんまにすごいキワモノ(際物)をやってたんやなあって、大感動!
 明治19年に日本にやってきたイタリア人チャリネ率いる「チャリネ大曲馬団」が話題になると、歌舞伎もいち早く「鳴響茶利音曲馬(なりひびくちゃりねのきょくば)」を舞台にあげ、菊五郎は、なんと、チェリネ、象使いアバデー、一本足の曲芸師ハーバーの一人三役!写真がのこっているのですが、そんなものでは、きっと舞台の面白さはちっとも伝わらないかも。むしろ錦絵のほうが雰囲気がでているかもしれませんねえ。
 そして、極めつけは風船乗りのスペンサー
 明治23年に、イギリス人のパーシバル・スペンサーが来日。
 横浜で、気球に乗って空高く上昇し、パラシュートで降りてくるという、当時の日本人にとっては前代未聞の大スペッタクルな見世物興行をしました。
 あまりの人気ぶりに、とうとう皇居で天覧「飛行」をやり、このとき、緊張のあまりか、スペンサー氏パラシュートの着地に失敗してお堀に落っこちるというハプニングつき。天皇皇后は、ちっとも気にしないよと寛大なお言葉。
 この面白いパフォーマンスを見逃す手はないと、早速歌舞伎に仕立て、その名も「風船乗評判高閣(ふうせんのりうわさのたかどの)」。
 洋服姿もきりっとして、舞台中央で、一礼して山高帽から鳥打帽にかえて、いよいよ風船のりです。
 宙乗りはアクション歌舞伎のお家芸ですから、ずんずんと舞台の上を上がり、さっと書割が青空になるとスペンサー氏ははるか上空で小さくなんている。これは、子役に菊五郎と同じ扮装をさせて、うんと高いところにつるしていたそうです。
 そして、地上におりたったあとは、颯爽と登場し(お堀には落ちません)「れでぃすあんどじぇんとるまん あいはぶびーんなっぷ あとりすと すりーさうざんど ふぃーと」と、外国人そっくりの仕草で演説したそうです。
 風船のり、あるいはパラシュートで降りてくる姿は、錦絵があるので、写真にある鳥打帽をかぶろうと挨拶するスタイルで。
 英国人になりきっている五代目です。
明治キワモノ歌舞伎 空飛ぶ五代目菊五郎
2011-07-06
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