アルテミジア・ジェンティレスキ

アルテミジア

 女流画家のアルテミジアといえば、必ず出てくるのがユーディットです。
 彼女は、いくつかのユーディトの絵を描いているので、まるで、ずーっとユーディットばかり描いていたような印象を受ける文章もあります。
 ユーディットは、旧約聖書の物語で、多くの人が描いていますし、アルテミジアの画法上の師匠ともいうべきカラヴァッジオも、勿論描いています。
 この題材が「もてはやされる」のは、なにしろ、うら若き美女が、(ベッドをともにした)敵の権力者の大男の首を切り取ったというところがドラマです。
 豪華な服装の美女と切り取られたおそろしげな男の首の取り合わせが「絵心」をそそるのでしょうね。
 サロメと同じくらい人気画題です。
 そのファッション優先のユーディットを、まさに首を切っているシーンで描いたのがカラヴァッジオのすさまじさですが、女流画家のアルテミジアのユーディットは、もっとスゴイ。
 他の画家のように(カラヴァッジオでさえ)細身で楚々とした美女ではなく、堂々としたたくましい腕をした大柄な女性で、まさにゴシゴシという感じで男の首を切っています。
 このおそろしさは、何ぞ、オトコに恨みがあるに違いない・・ということで、たいていは、ここで彼女の「不孝な」事件が語られます。
 画家の娘で、才能のあったアルテミジアは、さらに画業の修行をさせるべく、父親が友人の画家に娘を預けたのが「不孝」のはじまり。このセンセイがとんでもない男で、預かった生徒の彼女に「結婚してやるから」と騙して関係を持ってしまうのです。
 知った父親は怒り心頭。「娘を強姦した」と訴えます。
 この当時のローマでの裁判は、十代の女性であった彼女が、被害者でありながら、拷問を受けて証言するというとんでもない裁判ですね。
 この種の事件は、今でも男性検事などが興味本位の尋問をするというウワサですが、当時は本当にひどかったのでしょうね。
 こういう目にあった彼女ですから、さぞ男を恨んでいるに違いない・・などという「憶測」で、ユーディットがことさら残虐に描いている・・という説があるんだそうです。
 しかし、彼女はその後、フィレンツェに行って結婚もしているし、子供も数人持っており、画家としても、いろいろな仕事をしているので、何時までも若い頃の「事件」にこだわっていたとは思えません。
 あえて、色んなことに堂々と立ち向かったのではないかという気がします。
 自画像もありますが、あえて、彼女が描いた「これから首を切ろうとするユーディット」のいかにも決然としたポーズで・・。
2011-02-23
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