大后の拷問係

拷問係

  ピエロ・デッラ・フランチェスカの大作「聖十字架伝説」は、ドラマチックな場面をあくまでも冷静に・・あるいは冷酷に描いています。
 「黄金伝説」の物語によれば、キリストが磔にされた聖なる十字架は、そんじょそこらの木片ではなくて、なんと人類の始祖アダムにまで遡る、とんでもない「由緒」があるのですが、そんな古い話はおいといて、ハイライトの一つは、ヘレナ母后が、エルサレムで、十字架を発掘する物語です。
 ヘレナ母后(誰の母かというと、コンスタンティヌス大帝です)は、エルサレムのどこかに埋められている聖十字架を掘り出そうとするのですが、それを知っているはずの人物(なんと偶然にもユダという名前!)が、教えようとはしません。
 そこで、この男を井戸につるして拷問すること7日。ついに白状した場所を掘ってみると、3つの十字架が出た(まあ、2人の泥棒と一緒に磔になったんですからつじつまがあいますね)。
 では、そのうちのどれがホンモノか・・。たまたま(!)通りかかった葬式の行列に、一本ずつかざしてみると、一つをかざした時に、なんと死人が生き返った! ミラコ~!! 「これぞホンモノであるぞ。わらわは大満足じゃ!」ということで、ヘレナ母后は見事、真の十字架を探しあてたのでした。めでたし、めでたし。
 その後、色々ありまして、十字軍の諸君などにより、ヨーロッパ各地に聖十字架の断片が分散して持ち帰られています。バチカンのサンピエトロ広場に立っている巨大なオベリスクの天辺にも聖十字架の一部が納められているそうです。
 ということで(どういうこと?)、ピエロ・デッラ・フランチェスカの壁画の中で、小姓のような金髪のお兄さんが、井戸から髪をつかんでユダを引き上げている場面があります。「とうとう、白状する気になったか?」というところでしょう。
 壁画の拷問係りは3人いて、皆同じような衣裳の若者で、あとの二人は、つるしていた縄を引っ張っています。
 どうしてこのユダが場所を知っていたのか知りませんが、彼が白状した場所が、ヴェヌス神殿だ・・ということだったので、もしかしたら異教の神官だったのかしら? 信仰の名の下に拷問されるなんて気の毒ですね。
2010-11-22
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