六波羅合戦の将

平清盛2

 「日本の国宝、最初はこんな色だった」(小林泰三・光文社新書)のデジタル復元には、当初の形というのにこだわっています(私もまだ、この本にこだわっていますね)。
 この本の中で、私としては、一番面白かったのはすでに失われた絵巻物を着色復元する「平治物語絵巻」の章でした。
 この絵巻物が、ボストン美術館にあり、三条殿焼き討ちのシーンなどは、今でも、日本のアニメーション文化の原初たる動く絵巻物の代表作です。私が伴大納言絵詞が大好きなのは、まああちこちで書いていましたけれど、この平治物語絵巻も好きなんですね。
 で、その中で断簡しか残っていない「六波羅合戦の巻」これをデジタル復元するんだといわれれば、興奮してしまいますがな。
 復元に、手がかりが全くないというのではなく、東京国立博物館に江戸時代に模写された白描画が残っているので、要するに、これに断簡に残る色彩をつけてるということなんです。色があるのとないのでは、全くイメージが違いますものねえ。
 勿論、モノクロの画像や、色の落ちた年代ものの枯れた美しさを否定するわけではありませんが、やはり「当初の形」というのを見たいではありませんか。
 その過程はなかなかと面白いのですが、それは本を読んでいただくということにして、平治の乱は、平清盛のいわば、ヴァンデミエールの反乱みたいなもので、以後、彼が権力の階段を上り始めるきっかけになった騒乱です。時に清盛41歳の男盛り(ナポレオンはヴァンデミエールの時は26歳だったんですが)。
 復元された小林氏は、さっそうと登場した主役たる清盛は、鼻がダンゴで、歯が乱食いのブサイクに描いてある・・なんていわれていますが、戦記物の武将の顔の表現としては、大声を出して突撃する場面で、当時流行の引き目鉤鼻の美男子顔に描いていたのでは、迫力が出ないと思うので、私はなかなかによい顔だと思います。
 黒糸威に紺の直垂(小林氏はダースベイダーみたいだといわれる)で、黒尽くめのダンディだったのではないでしょうか。絵巻の兜は、白描の別場面を見ると獅噛(しがみ)の鍬形台というやつなので、そのようにしてみました。
2010-11-09
関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

乱読F

Author:乱読F
歴史上の人物を沢山描きたい・・。
実在・架空2000人描き

アルバム
最新記事
検索フォーム
カテゴリ
月別アーカイブ
最新コメント
カウンター
リンク
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる