テヴェレ川

テヴェレ川

 ローマの街角の彫刻や、建国の双子のそばなどに、寝そべって奇妙なものを手に持った「老人」がいます。
 手にしているものは「豊穣の角」で、いわば、海の幸あるいは山の幸などを表わしている豊作の象徴。
 ということは、川からもたらされる「幸」をあふれさせているのは、それらをつかさどる神様ってことですよね。
 ローマで川といえば、勿論テヴェレ川です。この地に流れ着いたアイネイアスが上陸しようとする絵などにも、足元にこの人物がねそべっています。決して「怪しい者」ではありません。
 川の神なので、ゆるやかに下半身にまとう布も水のように・・流れ落ちるようにたれる髪や髯も水の性らしく寒色系で・・なんて思っていたけれど、目つきがミョーにいかがわしい、おじさんになってしまいましたね・・・(暑い季節は川の神様なんて涼しげだと思ったんだけどなあ)。
 ヒゲを生やしているからといって、この神様は決して枯れた老人ではありません。
 処女神官でなければならない、ヴェスタ神女のレイア・シルヴィアが、マルスの子供を産んでしまったので、テヴェレ川に沈められたとき、この神が現れて、彼女を妻にしたのだそう。「苦労したようだが、辛いことは忘れて、これから私が幸せにしてあげよう。そなたの子供たちも守ってやろう」なんて、やさしげに近づいたのかもしれません。
 勿論、河伯の伝説のように、川の神が人身御供の若い娘を要求したんではありません。
 彼女を川に投げ込んだのは、王位を生まれた子供たちに奪われると怖れた叔父です。
2010-08-10
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