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ベレニケ

ベレニケ

  ローマ帝国で有名な異国女性は、なんといってもエジプトのクレオパトラですが、このベレニケも有名です。
 彼女は、ユダヤの王女で、ヘロデ・アグリッパの娘です。
 彼女自身が何かをしたわけではないのですが、男運が悪いのか、最初、ローマ人に嫁ぎ、未亡人になって再婚後、二度目の未亡人となります。次にキリキア人と結婚をしますが、別れて、兄であるアグリッパ2世のもとに戻ります。
 この不幸な妹を、兄は気遣ってか常に一緒に行動していたようで、このへんで、近親相姦などという噂がたつのかもしれませんが、ユダヤ王家は、実質的には王権はなく、ローマ帝国の政争などにからんで、難しい世渡りをしていたのかもしれません。
 この彼女が次に選んだ男は大物で、ユリウス・クラウディウス家の後、新たにローマ皇帝となったヴェスパシアヌスの長男ティトゥスでした。
 ティトゥスは、ユダヤ戦線の総司令官でしたし、父親の立場からしても、次代の皇帝になる可能性は大なので、将来性がよいと判断したのでしょうか? 
 彼女はすでに37歳でしたが、11歳も年下の若いローマ軍人と恋仲になったのです。
 ローマにも、一緒に帰り、二人は夫婦としてふるまっていたようですが、ローマ市民の反応は最悪で、彼女をクレオパトラの再来と見て、ローマ帝国を分裂させる禍を生むと思っていました。
 ティトゥス自身は、本気で彼女と結婚したいと思っていたようですが、皇帝ヴェスパシアヌスは、市民の反感を恐れて彼女をユダヤに帰してしまいます。ヴェスパシアヌス帝の死後、密かに彼女はローマに戻っていたということですが、ティトゥスといっしょに暮らすことはなかったようです。
 ティトゥスは、皇帝になっても独身で通し、愛人もおかなかったのは、やはり彼女のためだったのでしょうか。その頃は、もう若くもない二人でしたが、誠実な恋人であったのかもしれません。
 クレオパトラのように山っ気のある強烈な女性ではなく、もしかしたら、落ち目の兄を助けるけなげな女性だったかもしれないでしょう・・・? ちなみに彼女と兄のアグリッパは、パウロと出会って話を聞いているそうです。
  「密偵ファルコ」に出てくる彼女は、ケバい化粧をして、派手派手なエキゾチックな装いの年増(40を過ぎていますから)ですが、フラヴィウス時代のローマ人の流行の髪形をしていたのではないかと思いますが、やや装身具を派手目に。
2010-07-18
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