アンナと娘たち

アンナと娘たち

  聖アンナは、聖母マリアの母です。
 聖母マリアが、処女懐胎でイエス・キリストを産んだというのは重要なことなのですが、福音書の翻訳の時に大いなる誤解ではなかったか・・という説があります。
 つまり「処女」、おとめ、娘などという語に、いわゆるバージン(パルテノス)・・つまり男性を知らないと言う意味があるかどうか・・ということです。古い文献に、ただ単に「マリアは若い(少女の)頃に子供を産んだ」というだけの意味を、「マリアは処女にして子供を産んだ」と解釈されたと言うのが問題だったのだとか。
 これが発展して、神の言葉が「父」となり、処女のまま母となった・・という男性の「願望」なのか、「汚れなき母」を求めるあまりに、「無原罪」などという、またまたややこしい説が出てきた。
 清らかな母マリアは原罪を免れているのだが、彼女の出生そのものも原罪を免れていなければならな・・という更なる「無原罪」のバージョンアップがはかられます。
 どういうことかというと、マリアの母であるアンナも、原罪を犯さずに娘を産んだんだとか・・・やれやれ。聖職者の禁欲の殿方は、まあ・・なんともわけのわからない理屈を考えだすものです。

 その一方で、マリアの母(つまり聖祖母ですかね)は、既婚女性や、年配の女性方の支持をも受けて人気者になり、彼女の絵も沢山描かれた時期があります。そして、マリアの姉妹もいて、それらは、アンナが3人の夫を迎えて、それぞれに娘をもうけ、その娘たちの子供は、ヤコブ、ヨセフ、シモン、ユダ、大ヤコブ、ヨハネだったというのに至っては、キリスト教団は、従兄弟教団だったってこと?
 こういうのは、北方で流行ったそうで、クラナッハなども、それぞれ夫を背後に従えた大女系家族(大祖母のアンナには3人の夫が従っています)を描いていますが、だんだん廃れたそうです。
 異説ではあっても、女ばかりの家族がもてはやされたと言うのは、面白いので、クラナッハ時代風に描いてみました。あ・・娘たちの名前は全員がマリアです。
 これまた「処女懐胎ー描かれた奇蹟と聖家族ー」(岡田温司・中公新書)からのネタです。
2010-03-09
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