氷上演習の兵士

スケート兵

 オリンピックで氷上の演技ばかりを見ていて、思い出したものがあります。
 清代の絵画で「氷嬉図」というものです。紫禁城の西にある西苑の太液池で、禁旅八旗の氷上訓練が行われている様子を描いたものです。
 もともと寒冷の地出身の満州族の武人たちにとっては、氷の張った極寒の地での行軍を行っていて、河川が凍結した冬場には、勿論、それなりの方法や技術が必要であったのでしょう。
 北京でも、寒冷の折には「北京風俗図譜」等にみるように、氷戯と称して、凍った池などで、にのって引っ張ったり、氷上を行く特殊な靴(竹や金属などで作った下駄様のものを靴の上から装着したりするものもあったようです)をはいて滑ったりして遊んでいたという記事が出ていますし、優雅に着飾った女性が、橇の上に椅子を置いて座り、数人の男が引いているような絵図もあります。
 この氷嬉図には、それぞれ八旗の旗印を背負った兵士や、弓矢で武装した兵達が、スケート靴ようのものを長靴の上から装着して、均等に並んで滑っている様子を描いています。中央辺りに高い柱に吊るした的があり、弓兵は、滑りながらこの的を射るのでしょう。
 両手を広げて、バランスを取っているのみならず、片足を大きく上げて、何らかの「演技」をしているような姿も見られ、彼らの進むコースには、綺麗に色が変わっているように描かれているので、全員が正確なライン取りをしながらすべっているのでしょうね。清朝版フィギュアスケートですね。
 背負った旗印や、腰に巻いた紐などの翻り具合を見ていると、かなりのスピードが出ているようです。
 旗印の色は黄・藍・紅・白・鑲黄(じょうおう)・鑲藍(じょうらん)・鑲紅・鑲白(鑲じょうは縁取り。
 赤い色の縁取りのつく旗印)で、それぞれ、龍の絵を描いた旗をなびかせている旗兵と弓兵が一人置きに並んでいるということは、単に所属を示すだけではなくて、見た目の華やかさも演出しているのではないか・・などと思います。
 これも冬の風物詩だったのでしょうか・・「スケート」の上手い兵士には、皇帝出御の前での晴れ舞台だったのでしょうね。  
2010-02-23
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