ダヴィッド

ダヴィッド

 ジャック・ルイ・ダヴィッド。今更ながら、この方が出ていなかったのに気付きませんでした。
 フランス革命とナポレオン時代を色鮮やかにイメージ付けたのは、ほかならぬダヴィッドの絵筆があったからこそでしょう。
 ダヴィッドの代表作といえば、誰でもが思いつくのは「ジョゼフィーヌの戴冠」の、超のつく大作でしょうか。それとも、革命の悲劇をドラマチックに表現した「マラーの死」でしょうか。
 この2作をもって彼の名を不朽のものにしたかもしれませんが、画家本人は、これらは「お仕事」で、勿論、仕事に全身全霊を打ち込んだプロですが、個人的に描きたくて描いた絵は歴史画であるような気がします。
 誰の注文も受けずに描いた「サビニの女たち」のような古代の歴史上の出来事をドラマチックに表現した大作です。
 さしずめ、鋭い映像感覚を持っていて、ドキュメンタリーや現代史を鋭く映像化できる映画監督ですが、本当は歴史大スペクタクル映画が大好きだ・・といえば・・ちょっと違うかな? 
 ダヴィッド自慢の「テルモピュライのレオニダス」(映画「300」のモデルとなった全員討ち死にしたスパルタ王の話です)の絵を、「敗軍の将を描いて何になる」と言ってのけたナポレオンは、現実主義的で、悲劇のヒーローだとか玉砕の美学には縁のない人だったのかもしれません。
 ダヴィッドは、いわばフランス革命の「映像」総監督でした。
 「風呂場で女の子に殺された吹き出物だらけのブサイクな嫌われ者」であったマラーを、まるで死せるキリストのように荘厳に美化して描きます。また、劇場的なお祭り「最高存在の祭典」などを演出しました。
 数々の衣裳や小道具大道具などのデザインから、行列の形、儀式の進行など、文字通り総監督。これが原因で、ロベスピエールが失脚すると投獄されます。革命のイメージ宣伝部門に深く関わりすぎたということでしょう。
 その後、彼のこのような視覚化の才能をナポレオンに利用され、絵画としても、史実に即せば、大嘘で演出過剰の「サンベルナールを越えるナポレオン」を描き、彼のイメージを決定付けました。
 有名な「戴冠」の絵も、描かれた、各個人がちっとも似ていないと言った人もいたそうですが、まるで本人がそこにいるようだ・・という感想もあり、おそらく美化されて描かれた人は大満足だったのでしょう。
 ナポレオン没落後、亡命し、弟子達の帰国要請にもかかわらず、ついに故郷の土をふみませんでした。
 最晩年には、また古典的な画題に戻り、夢物語のような(ある意味少女趣味?的な)絵を描いていますので、背景に「マルスとヴェヌス」に出てくるヴェヌスの侍女たちを貼り付けてみました。
2009-06-12
関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

乱読F

Author:乱読F
歴史上の人物を沢山描きたい・・。
実在・架空2000人描き

アルバム
最新記事
検索フォーム
カテゴリ
月別アーカイブ
最新コメント
カウンター
リンク
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる