ダニエル

danieru

  ベルニーニの彫刻「ハバククと天使」が、にわかに脚光を浴びています。これのレプリカを展示しているビルまであるそうですが、勿論、映画「天使と悪魔」のせいでしょう。
 この彫刻は指差す天使が意味を持っているのは確かなのですが、実はこの天使が指差している先は、「空気の祭壇」なんかではありません。指し示しているのは、ダニエルです。いえ正確に言うならダニエルが閉じ込められている獅子の穴(トラの穴ではありません)。
 ダニエルは、バビロン王がエルサレム陥落させた時、国王の官吏となるために、連行されてきたユダヤ貴族の少年たちの一人です。
 とても優秀だったので王には重用されましたが、それを嫉んだ廷臣たちの陰謀によって、獅子の洞窟に落とされます。例によって「お前の神がホンモノなら、救ってくれるだろう」と言われて。勿論、ダニエルは神が遣わした天使によって守られ、逆に彼を貶めた廷臣たちが獅子に食われます。
 このダニエルの物語が、中世には劇としてもてはやされ、その登場人物にハバククがいます。中世劇の物語に採用された「ダニエル書外典」の物語によれば、畑の刈り入れ作業をしている人たちに弁当を届ける途中のハバククの前に、突然、天使が現れ「何をしているのだ! 早くその弁当をダニエルに届けろ!」と、髪をつかみあげ、空中高く舞い上がると、大空を飛んで、あっという間にダニエルの洞窟にやってきて、その弁当をダニエルに届けた・・というお話です。
 一体これはなんなん?というようなエピソードですが(ほとんど天使による恐喝やん)、劇になって大衆には大いに受けたのでしょう。皆に知られたエピソードだったようで、これをベルニーニがつくったわけです。だから「ハバククと天使」だけではこのドラマの半分で、もうひとつ対になる彫刻があって、それが獅子の穴のダニエルです。
 このダニエルは、かの覗き見のスザンナの裁判を見事に決着をつけたので「裁判の守護聖人」だそうで、威厳のある老人や壮年で絵に描かれる場合もあるのですが、ベルニーニは少年のような顔で、青年の肉体をみせびらかしている裸体像にしているので、そのスタイルで服を着せてみました。ちなみにハバククの彫像としては、ベルニーニのは髪がふさふさしていますが、ドナテッロの彫刻はつるっぱげで、天使にひっつかまれて空を飛んだせいでハゲた?という人がいますが・・・天使は弁当代を払ってくれたのだろうか?
 ところで、私の「天使と悪魔」についての戯言はこっちに書いています。
2009-06-06
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