シーター

シーター

  インド2大叙事詩といえば、ラーマーヤナマハーバーラタですが、そのラーマーヤナは、ラーマ王の一代記がメインストーリーです。
 クライマックスは、彼の妻シーターが、「魔王」ラーヴァナに略奪され、それを仲間とともに取り戻しにゆくというドラマでしょう。
 そのラーヴァナの本拠地であったランカ島は、彼らの「美女奪還」戦争のために滅びてしまいました。美女略奪にともない、一国一城が滅びるといえば、この略奪された女性はトロイのヘレンを彷彿とします。
 しかし、ヘレンはある意味、「女神」の意向がはたらいていて、運命に逆らえないということになっており、それ以上に、パリスとヘレンは一応「相思相愛」です。
 ですが、シーターは、彼女の夫ラーマーに言い寄って手ひどく拒絶された女性の復讐として誘拐されたのです。
 その女の兄ラーヴァナがシーターをさらって自分の城に幽閉したので、とらわれの妻を救わなければ、夫のラーマは「沽券」にかかわるので奪い返しに来るのです。
 色々な戦いのドラマ(勿論、強敵も現れ、危機もあり、男の友情もあり!)があって、見事に敵国を滅ぼして、妻を奪い返して、めでたしめでたし・・。
 のはずが、夫ラーマは、長い間略奪・幽閉されていた妻の貞操を疑う。このへんが、なんとも英雄としては了見が狭いというか、下世話というか、釈然としないところですが、まあ、凡人としては一番気になるところです。
 なにしろ、シーターは「英雄」の妻だから、当然「美女」で、その彼女をさらった男が、なにも感じないわけがなく(何も感じなかったら、それこそ美女の「沽券」にかかわる?)、お約束どおり、ラーヴァナは捕らえてきたシーターに言い寄り、美しい人妻、危機一髪です。これまたお約束どおり、シーターは拒絶し、意外と紳士?のラーヴァナは、怒って、彼女を幽閉する。何が何でも我が物に・・ではないのですね。
 ラーヴァナたちが滅ぼされ、助け出されたシーターは当然、潔白を主張しますが、ラーマに証拠を見せて欲しいと言われ(ラーマの株、暴落!)、自ら燃え盛る炎の中に飛び込み、無傷で出てきて(これは神が潔白を証明したということになるそうです)、晴れてもとの鞘に納まる・・。ラーマは、「私は彼女を信じていたが、人々の前に証明させたのだ」とのたまう(これまた、ラーマ株、大暴落!)。
 そして、王位についたラーマの王妃になるわけですが、後世の加筆かと思われる最終巻では、しつこくも、彼女の貞操をうたがう国民が、王妃にふさわしくないと言出だしたので、ラーマは、なんと「離婚」するんですね。あとで後悔してヨリを戻したいと言い出し、またまた潔白の証明を求めて、ついにシーターは、大地の底に沈んで二度と此の世に戻らなかった・・・という悲劇の美女です。なんとも・・・後味が悪いですが・・・神々の意思とはいえ、ヘレンとヨリを戻したメネラオスはエライですねえ。
2008-10-27
関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

乱読F

Author:乱読F
歴史上の人物を沢山描きたい・・。
実在・架空2000人描き

アルバム
最新記事
検索フォーム
カテゴリ
月別アーカイブ
最新コメント
カウンター
リンク
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる