お三輪

お三輪

 「妹背山女庭訓」は、荒唐無稽というか、これぞ伝奇!というか、大悪人の蘇我入鹿は、ただ悪いというだけではなく、ある種の超能力者で、まともに倒せないという設定。
 で、その彼を倒すには、爪黒の牝鹿の生血と、疑着の相の女の生血をかけた笛を吹いて、超能力を「無効」にしなければなりません。
 なんとも「血みどろ」な設定ですが、「疑着の相」ってなんだんねん?
 歌舞伎の解説などによると嫉妬に狂っている顔をしている女、あるいは嫉妬深い女だそうです。
 で、その相の女ということで、お三輪という娘が悲劇的な死を遂げるわけです(なにしろ生血!がいるのですから)。
 彼女は酒屋の娘ですが、隣に住むいわくありげな若者求女と恋仲です。ところが、求女が夜に他の女を通わせていると知り、「どこのどいつじゃ!」と追いかけます。するとその女の家はすごい御殿で、なんと今をときめく大悪人蘇我入鹿の妹。しかも御殿の侍女たちにさんざんなぶられ、追い出される。
 さらに、求女が姫の婿になると知り、一気に感情が爆発!「疑着の相」とあいなります。
 そして半狂乱になって御殿に乱入しようとしたその時、ある男(彼は、入鹿を倒そうとしている藤原鎌足の忠実な家臣)に殺されます。死に際に、求女は実は鎌足の息子であり、その妹に近づいているのも入鹿を倒したいためで、今、彼女の血が必要だと知らされ、「私があの方のお役にたてるのね」と死んで行くのでした・・・って、これでええんかいっ! と突っ込んでしまいますがな。
 求女(これが藤原淡海・・つまり不比等さん!)って、後に、復位した天智天皇!(これが、まあなんと、入鹿に皇位を奪われ、鎌足に匿われている非力な貴人ということになっています)のもとで、晴れて入鹿の妹と正式の夫婦になっているんです。
 血を流して死んだお三輪の立場はどうなるんだ!  ただ血を絞り取られただけで気の毒すぎません? 
 いかに荒唐無稽大伝奇物語とはいえ、ヒーローであるはずの求女って・・・・「色仕掛け」で闘う男だったのね。
 泣き叫ぶお三輪を描いてみました。
2008-10-09
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