氷上演習の兵士

スケート兵

 オリンピックで氷上の演技ばかりを見ていて、思い出したものがあります。
 清代の絵画で「氷嬉図」というものです。紫禁城の西にある西苑の太液池で、禁旅八旗の氷上訓練が行われている様子を描いたものです。
 もともと寒冷の地出身の満州族の武人たちにとっては、氷の張った極寒の地での行軍を行っていて、河川が凍結した冬場には、勿論、それなりの方法や技術が必要であったのでしょう。
 北京でも、寒冷の折には「北京風俗図譜」等にみるように、氷戯と称して、凍った池などで、にのって引っ張ったり、氷上を行く特殊な靴(竹や金属などで作った下駄様のものを靴の上から装着したりするものもあったようです)をはいて滑ったりして遊んでいたという記事が出ていますし、優雅に着飾った女性が、橇の上に椅子を置いて座り、数人の男が引いているような絵図もあります。
 この氷嬉図には、それぞれ八旗の旗印を背負った兵士や、弓矢で武装した兵達が、スケート靴ようのものを長靴の上から装着して、均等に並んで滑っている様子を描いています。中央辺りに高い柱に吊るした的があり、弓兵は、滑りながらこの的を射るのでしょう。
 両手を広げて、バランスを取っているのみならず、片足を大きく上げて、何らかの「演技」をしているような姿も見られ、彼らの進むコースには、綺麗に色が変わっているように描かれているので、全員が正確なライン取りをしながらすべっているのでしょうね。清朝版フィギュアスケートですね。
 背負った旗印や、腰に巻いた紐などの翻り具合を見ていると、かなりのスピードが出ているようです。
 旗印の色は黄・藍・紅・白・鑲黄(じょうおう)・鑲藍(じょうらん)・鑲紅・鑲白(鑲じょうは縁取り。
 赤い色の縁取りのつく旗印)で、それぞれ、龍の絵を描いた旗をなびかせている旗兵と弓兵が一人置きに並んでいるということは、単に所属を示すだけではなくて、見た目の華やかさも演出しているのではないか・・などと思います。
 これも冬の風物詩だったのでしょうか・・「スケート」の上手い兵士には、皇帝出御の前での晴れ舞台だったのでしょうね。  
2010-02-23
スポンサーサイト

茶館の客

茶館の男

 南方から始まったとされる「お茶」の文化は、もともとは、お茶の葉が高級であったために、士大夫階級のたしなみでしたが、次第に一般化してゆきました。
 宋代には、抹茶がとんでもなく高級品になリ、宮廷に献上する最高級品の生産や運搬は人民を苦しめたので、庶民派の明の皇帝朱元璋が即位した時に、抹茶の献上を中止したそうです。
 以後、本場中国では抹茶がすたれましたが、いまだ抹茶が最高級であった宋の時代にその習慣を輸入した日本では、茶道がおこり、今なお、抹茶が伝わっています。
 茶葉の発展をした中国では、清代になると一般庶民の間にも広がり、お茶を飲む店「茶館」が盛んになります。茶館は、ただ喫茶だけではなく、ここで情報の交換が行われたのは、西洋のカフェと同じで、あまりに政治談議が白熱し、客同士が熱くなりすぎたので「国事を談ずる莫れ」という札を掲げた店もあったそうです。
 さて、「北京風俗図譜」の、19世紀の茶館の情景を描いた絵から客の1人を描いてみました。
 中国にも西洋文明が押し寄せてきた時代で、老人はまだ辮髪を垂らしていますが、客の大半はすでに断髪をして、若い男は西洋帽をかぶっています。
 茶葉を買って湯飲みの底に入れ、席に着くとお湯を注いで茶を出してすすります。今の中国でも、お茶はこの飲み方ですね。出がらしになったら、また新しい茶葉を買うこともでき、注ぐ湯は、店員が新たにつぎ足して歩いたそうです。
2009-05-20

旗人の女性

旗人の女

 清王朝の支配者階級は、旗人と呼ばれる満州人の八旗に所属する人々でした。満州風のデザインの衣裳に、中国の伝統的な図柄などを組み合わせた華麗な刺繍で、とても華やかなものでした。
 髪型も大きな高い髷に、髪飾りをつけて、独特のスタイルです。
 近代には、このような貴婦人が着飾って写した写真も残っており、そのような写真資料のなかから、華やかな刺繍の衣裳をつけた女性を描いてみました。高官の家の夫人か令嬢でしょうか、綺麗に化粧して、邸宅の庭先か、中庭で写しています。衣裳の色合いがわからないので、あえて白黒にしてみました。
2009-02-24

西大后

西大后

 中国史上の悪女というか、「大物」女性として必ず挙げられるのは、呂后武則天・・そしてこの西太后です。
 皇帝のお世継ぎを生んだことから立身し、正妻の皇后と並んで幼い息子の後見をして垂簾聴政を行った・・は、あまりに教科書的な表現でしょうか。でも、まあ有名な人ですから・・。
 時代が近いし、本人が好きだったので、かなりな数の写真も残っており、華麗なる衣装にもかかわらず、したたか・・いや、威厳あるとっても怖い女親分のような顔が記憶に残っている人も多いでしょう。寵愛の宦官李蓮英と一緒にうつっているのまであって、なかなかに生々しい人物です。
 外国人画家に描かせたという肖像画がありますが、60代くらいですし、真正面をむいて、写真の表情よりは幾分か穏やかな顔つきに「美化」されていますが、威厳を持ってじっとこちらを見つめています。その絵を参考に若作りにして、ちょっと顔つきを「ゆるやか」にして見ました。 勿論、この絵で私が一番興味をひいたのは、有名な「爪カバー」です。翡翠をくりぬいたものでしょうか、とても綺麗な色の爪カバーを薬指と小指にしています。他の爪も、思いっきり伸ばして、これで優雅に食事などできたのでしょうね。
2007-08-30
プロフィール

乱読F

Author:乱読F
歴史上の人物を沢山描きたい・・。
実在・架空2000人描き

アルバム
最新記事
検索フォーム
カテゴリ
月別アーカイブ
最新コメント
カウンター
リンク
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる